群発頭痛の原因、対処、禁止事項とは?

頭を抱えて転げまわるほど激しい痛みで男性に多いとされる群発頭痛。痛みの原因とは?何に注意をしてどう対処すれば良いのか?もし群発頭痛である場合、発生頻度を軽減するために必要なことと禁止事項について。

群発頭痛とは何か?

群発頭痛は緊張型頭痛と比べると遥かに痛みが強烈で、目の奥が痛いというよりも、あたかも目をえぐられたような激しい頭痛です。クモ膜下出血や脳内出血などと間違えるほど痛いです。群発頭痛は男性、特に中年男性に多い頭痛ですが、最近は女性も増えているようです。群発頭痛は一度発生すると定期的に何度も起こります。ある日突然何かのきっかけで群発頭痛が発症すると、毎日ほぼ同じ時刻に1時間ほど痛みが続きます。

群発頭痛の発症は朝や日中ではなく夜が多い傾向があります。起きているときに発症するとは限らず、就寝後2時間以内に発生することもあります。群発頭痛の経験者の話では、あまりの痛みから睡眠不足なることが多いので、身体的にも精神的にもかなり辛く、体調を崩されるとのことでした。群発頭痛の頻度は1日1回から2回で半月から2ヶ月続きます。群発頭痛が発生した箇所では目が充血したり鼻が詰まったり、まぶたが下がったり瞳孔が小さくなるなど、見た目にも変化が分かるほど、凄まじい頭痛です。

なお、以前、群発頭痛は片頭痛の一種と考えられてきましたが、片頭痛とは別の頭痛として扱われることが多いので、ここでは片頭痛とは別の頭痛としています。

群発頭痛の原因は?なぜ起こるの?

群発頭痛の原因ははっきり解明されていませんが、目の後ろ側にある海綿静脈胴部で脳に血液を送っている太い血管(内頚動脈)の炎症で痛みが生じると言われています。また周期的に同じ時間帯に頭痛が発生することから体内時計が群発頭痛の要因に関係しているとも考えられています。

まとめますと、脳の視床下部付近には視交叉上核という体内時計があり、この部分に乱れが生じると内頚動脈の周囲にある三叉神経に痛み情報として間違って伝達され、その結果ない内頚動脈が炎症を起し痛みが発生するという痛みのメカニズムです。

もし群発頭痛になったら

あまりに激しい頭痛のため、たとえ痛みを止めるだけの対処療法であったとしても、病院に行く以外に痛みを止めることはできません。慢性頭痛の中でも緊張型頭痛とは比べものにならないほど激しい頭痛なので仮に群発頭痛だとしても周期が過ぎるまで毎回耐えることは人間業ではありません。確かに群発頭痛だと思っていても片頭痛や三叉神経痛、慢性副鼻腔炎などの場合もありますが、それ以外にも脳出血やクモ膜下出血など万一のケースが考えられますのでいずれにしましても一刻も早く医療機関できちんとした診断を受けましょう。

禁止事項は?

まずは一般的に避けたほうが良いといわれているケースを以下に列挙します。

  • 空気の薄い(酸素が少ない)ケース
  • 気圧が変化するケース
  • 体温や血圧を急激に変化させるケース
  • 急激に血糖値を上昇させるケース
  • 体内時計を狂わすケース

これらのことから、禁酒・禁煙の他にも暴飲・暴食やサウナーや熱いお風呂、登山なども遠慮したほうが良さそうです。今日は大丈夫だからなんて、安易な行動をすると、30分~1時間ぐらいで痛みが襲ってくるという話を耳にします。また規則正しい生活を維持するため、徹夜、寝不足、昼寝禁止というケースもあるようです。

なお群発頭痛は医師の助けがないと治療も対処も難しいので、仕事のスケジュールや都合などを合わせて医師と治療方針を相談しながら制限しているはずですので、詳細は医師の指示に従ってください。

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頭痛分類

片頭痛

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緊張型頭痛

緊張型頭痛の症状とは?何に注意して対処したらよいのか?肩こりやめまい、片頭痛と合併しているケースもあります。ストレスを軽減しリラックスして楽になっても、その場しのぎだけでは安心できない頭痛です。

頭痛総合

何科で治療してもらえば良いのか迷いますので、症状を分類し、原因、病名、受診科などに総合的にまとめました。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など生命に危険が伴い緊急を要する頭痛から、その他疾病に起因する頭痛まで。

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